【隣の熊井さん 第三話】
こんばんわ 昨日はうちのばーちゃんの7回忌でした。 ってか
いつの間にそんなにたってるんだねぇ、、すごいもんだ。
日々の忙しさに思い出はうずもれていくのですね。
まぁ いい思い出ばかりではないのでそれはそれでいいのですけどもw
ネココです。
とうとう隣の熊井さん第三話ですが、一応これで完結というかんじです。
隣の熊井さん一話
http://d.hatena.ne.jp/nekoyamada255/20080930
隣の熊井さん二話
http://d.hatena.ne.jp/nekoyamada255/20081001
【隣の熊井さん 第三話】
あることに気付いた熊井さんが言った。
「ねぇ、うさぎって校庭にもいるのね」
何を言っているんだろう? うさぎがいるからウサギ小屋
ウサギが外に居たらウサギ小屋の存在意義がなくなっちゃうじゃないか。
熊井さんが指をさした先を見ると確かにうさぎが跳ねている。それも1羽じゃない。何故だ?? 不思議そうに二人で校庭のウサギをぼーっと見ていると
さらにもう一羽ウサギが追加された。補充した先は、、このウサギ小屋だ。
見ると熊井さんが拡張した入口兼出口からウサギが新天地を求め出立していくではないか。
「わーーぁ 逃げてる!」
拡張された出口は金網戸が閉まらずブラブラとしている つまりあけっぱなしだったわけだ。「大変。逃げてるっ!」
熊井さんも逃げていることに気づき二人でウサギ小屋から飛び出した。
中には3羽、、つまり外には7羽というわけだ。「熊井さんはウサギ小屋の出口を見張りつつそこらへんのを捕まえといて。僕は校庭のを追っかけるよ」
「うん。がんばってー」ぼえ〜っとした声で熊井さんが応援してくれる。
走った。走って追いかけて追いついて捕まえて捕まえたと思ったら逃げられてさらに追いかけて
追い詰めて捕まえてウサギ小屋に戻って放り込んでまた戻って走って捕まえて、、、
何故だ、、何故俺はウサギを追っかけているんだ? そもそも何故ウサギ係りになったんだろう?
HRでぼーっとしていたからだ。何故ぼーっとしていたんだろう。ウサギ小屋を見るとようやく一羽目を捕まえた熊井さんが俺が見ているのに気づき
ウサギを抱き抱え「イェイ♪」とピースをしてきた。
俺は「ハハハ・・」と愛想笑いをして手を振り返すが内心
お前はなんかのアイドルかぁああああ!! とメラメラとその天然っぷりにメラメラとした負けるものか、、負けるものか、、ウサギは恐らくあと2羽くらいだろう。
あと少しだ。 負けるものか、、と呟きながら追いかける。
すると、ギターの音と共に俺の思いを率直に表した歌が聞こえてきた。負けないで
もうすこし 最後まで走りぬけて
どんなに離れてても
桃子はそばにいるわ
追いかけてね はるかな夢よ
な、、なんだ?? 走りながら朝礼台を見るとピンクのギターをジャンガジャンガ弾きながら
負けないでの同じフレーズを壊れかけのradioのように繰り返し歌っている女がいた。
その様はクネクネとしておりまるで根岸くん*1のようだ。正直いただけない。
どうやら俺を応援してくれているらしい。
そばにいるだけじゃなくて出来ることなら一緒に追いかけてくれよ。
応援のかいもあって最後の一匹を捕まえウサギ小屋に放り込んだ。
するとジャンガジャンガとギターを弾きながらギター女が近づいてくる。
「おめでとう」
満面の笑みを浮かべてその女がいう。
「はぁ、、どうも、、ありがとうございます」
いったいこの女は何なんだ? 何故負けないでの他のフレーズを覚えなかったんだ?
「アレー? ももちじゃない。」
と素っ頓狂な声がした。突然の声にわっと驚いて後ろを振り向くと
そこには制服が汚れ頭には木の枝が4〜5本刺さり
顔は泥がついておりそしてウサギを抱いた熊井さんが居た。まるで、コントだ。
「く、、熊井さん どうしたの?それ?」
「この子を夢中に追っかけてたら自然にこうなっちゃったの」
自然にはならないだろう。「くまいちょーウサギ捕まえるの御苦労さま」
ニコニコとギター女、、さっきももちって言われてたな、、が言った。
「うん。ももちはギター弾いてたの?」
「うん。ギター部の練習がてらにね。この人すごいうさぎ捕まえてたらから応援歌うたったんだよ」
「へぇーすごいねー」いつまででも話が続きそうだったので話に割って入る
「あのー すいません。」
「なぁに?」
とギター女が振り返る。
「いや、、あの くまいちょーって?」
「熊井ちゃんってなんだか宮内庁みたいでしょ? だからくまいちょー」
何を言っているんだ?この女は?頭のねじをすべてどこかに忘れてしまったに違いない。「それで、、もも、、」
「子」
と桃子さんが付け加える。
「ももち」
と熊井さんが補足してくれる。
「ももち、、桃子???」
熊井さんがうんうんとうなづき
「ももちは二年生なんだよ。」
「二年生なのに呼び捨てなの?」と熊井さんに聞くと
「昔からそう呼んでるから」
「二人は幼馴染とか?」
「うーん、、、そんなものかなぁ?」
とももちさんが何か含みを持った笑顔で教えてくれる。
とはいえ ももちってどんな漢字なんだろう?
百地さんかな?やっぱり?? しかし 百地桃子って、、どんだけ「も」があるんだ??
この人の親はどういう人達なんだろうか?
「ねぇ。くまいちょーあたしのジャージ貸してあげるから。」
「え?ももちのジャージ? それはちょっと、、」
「えーなんでなんで? くまいちょーその恰好で帰るのはまずいよー」
確かにまずい。制服は泥がついててシワがひどいし、顔にもついている。
おまけに頭に木の枝まで4本くらい刺さっている始末だ。見る人が見たら暴行された後のようだ。「うーん、、じゃぁ 借りるかなぁ」
「ウサギ小屋は俺にまかせていいよ。着替えに行きなよ」
「うん。ありがとう。 じゃぁまた明日ね」
にっこりと笑い熊井さんは百地さんと校舎の中に向かっていった。
「ねーくまいちょー頭の木の枝とってあげる」
「ほんと?お願い」
「くまいちょーしゃがんでよ。桃とどかないよ」
「えーももちがんばってー」
ぴょんぴょんととび跳ね木の枝を取ろうとする百地さん
どっちが年上かわからないなー、、はぁ、、疲れた。ぼやきながら最後のウサギを放り込んでウサギ小屋を後にする。
入学早々こんなことになるなんて明日からはなんでもない日になるといいなぁー
しかし、彼女らと会ったことによりこの後の三年間が、、いや、、そのあとの人生も
まったくの予定外の事になるとは思いもしなかった。
隣の熊井さん 終わりましたー。
どうでしたでしょうか?? ちょっとは面白かったですか?
二人のキャラクターができていたので楽でしたねー
あくまで僕から見ての二人ですけども。
さーて風呂入るぞー
☆補足☆
うさぎは匹ではなく鳥と同じように羽で数えます。ある本によると
「昔日本の仏教では肉を食べるのは禁じられていましたが、なぜか鳥肉はOKとなっていました。
ある寺のお坊さんは『ウサギは耳がまるで鳥のようだ。というか鳥だ。だから数える時は羽で数えるのが正しい』
と無茶苦茶言って。 ウサギを食べたそうです。
それが由来だそうーな。 ほんとかな?